213日 目に見えることと見えないことと生きているということ
見ることのできない大きな力がこの世を支配していて、
自分の選択もその支配の中に埋もれていて、
どんなに自分らしく生きようとも結局はその枠を超えられないのだとしたら。
そのコントロール下のおもちゃみたいなものだとしたら。
そんなことを考えたら少し怖くなってしまった。
でもわたしは生きていて。
今、この瞬間、この選択はわたしのもので。
小さくなった父の背中や母の身体、目の前のパソコン、丸まって寝ている猫、
遠くを走る車の音、少しチカチカする蛍光灯、
周りにあるものがすべて確かなものだと感じたら、少し気持ちが楽になった。
永遠ではないが、今、確かにそこにあるもの。
それと同じ、わたしの選択は、わたし自身のもの。
確かにこの手の中にあるもの。